2009年04月29日

【雷句誠さん】新連載開始のニュース!!

私も参加しているミクシィの足跡をみたら、凄い人数が・・・。
どうしたんだろうと思って調べてみたところ、

「原稿紛失で小学館を提訴した人気漫画家が講談社に“電撃移籍” 新雑誌で新連載を開始」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090429-00000000-oric-ent
との記事がありました。これですね。

雷句さんとは、裁判で一緒に戦った後も、親しくさせて頂いており、その中で移籍先の話や新連載の話など、とっても前向きなお話しを聞かせて頂いていました。これも役得ですね(笑)。

まだまだ、秘密にしておかなければならないこともありますが、新連載、とっても面白そうです。今から連載開始がとっても楽しみです。我が家は、皆、雷句さんのファンです。

頑張ってください!!

【参照】雷句誠の今日このごろhttp://88552772.at.webry.info/

投稿者 ono : 16:20 | コメント (3)

2008年11月12日

【ガッシュ訴訟】11/11 和解成立しました。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081112k0000m040029000c.html
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn/20081112/20081112-00000924-fnn-soci.html

1 被告は、原告に対し、原告所有の漫画原稿を紛失したことにつき、謝罪する。
2 被告は、原告に対し、本件和解金として金255万円の支払義務あることを認める。

これが、和解内容の骨子です。一応、勝訴的和解と考えてよろしいかと思います。

この和解で、私たちが目指したものは、大きく3つありました。
一つは、謝罪文言を入れてもらうこと。
一つは、できるだけ高い賠償金額を支払ってもらうこと。
一つは、漫画原稿の美術的価値について、そして、今後の賠償基準について共同提言を行うこと。もし、これができない場合には、【美術的価値】という言葉を、和解文言に盛り込んでもらうことでした。

まず、謝罪文言を入れることについては、上記のとおり、満足のいく結果になりました。和解調書に、謝罪文言を入れることはむしろ稀なこともあり、しかも、「陳謝」「遺憾」などという曖昧な言葉ではなく、「謝罪」という文言を入れることができたのは、良かったと思います。

次に、金額面ですが、これは小学館が値切ってきたというわけではありません。
第1回の和解期日の時に、こちらから提案した金額でした。美術的価値から換算される原画一枚の価格を算定するのは、確かに難しく、仮に裁判上の鑑定になったとしても、納得できるような金額が出てくるかといわれると、保守的な裁判所の思考からすると正直なところ疑問符でした。であれば、将来の同種紛争の基準になるべく、賠償基準についての提案をし、その基準に則って算定した金額を和解金額として示そうということに、雷句氏と相談して決めました。それが255万円という金額です。
残念ながら、算定基準の内容(255万円の内訳)については、口外しないという前提での和解になりましたので、申し上げられませんが、決して不合理な金額ではないと考えておりますし、一応、こちら側が申し出た金額を小学館が受け入れたという意味で、8割方満足な結果だったと思います。
内訳を明示できなかったことは残念ですが、それでも、単純計算すれば、カラー原稿1枚あたり51万円の賠償額が払われたことになり、そのような前例ができたという意味では、意義のあることではないかと考えています。「原稿なくしたら、ただでは済まされないぞ。裁判も辞さないし、こういう前例もあるぞ。」ということが言えるだけのものは作れたのではないか、と思います。

最後に、共同提言です。
実は、平成6年に東京地裁で和解に至った、矢沢永吉そっくりCM事件というのがあり、そこで行われた共同提言を参考に、本件について下記の共同提言を作ってみたのです。

                            記

(1)創作者の創造性が作用する社会活動においては、関係者が創作者個々人の創造性・オリジナリティに敬意を払い、これを尊重する風土を確立することによって、文化の健全な発展の基礎が形成される。殊に、漫画出版の場合には、漫画の原稿そのものが商品化するのに不可欠のものであり、かつ、漫画のストーリーと相俟って、漫画そのもののもつ視覚的印象に美術的価値があるのであって、これらに携わる者は、これらの価値を見いだした創作者の意向を十分に尊重する姿勢が必要である。
 (2)我々は、漫画原稿が出版社において扱われる場合には、法律上又は倫理上、次のようなルールが守られなければならないと考える。
   一 出版社は漫画原稿を預かった場合には、その原稿の価値を尊重し、善良なる管理者としての注意義務を持って、それを管理しなければならない。
   二 出版社が預かった原稿については、出版できる状態、つまりポジフィルム化した段階で、速やかに漫画家に返却し、必要以上に原稿を管理してはならない。
   三 (この項目には賠償金の倍率設定が入っていましたが、今回の和解内容にて、「金額の内訳を公開しない」との約束が入っていますので、ここでは公開する事はいたしません。) 

これができれば、そのまま新聞等に記事掲載していただき、後世に残る基準になるわけですから、ただ判決をもらうよりも数十倍有意義なものになると思い、雷句氏とともに頑張ってきました。
小学館もこのような共同提言を行うことによって、出版界をリードする立場にもなるわけなので、決して不利益なことではないどころか、今回の汚名を返上するチャンスにもなったであろうに、大企業特有の論理からか、実現できませんでした。残念です。

美術的価値の文言についても、裁判所からも、相当小学館に対してプッシュして頂いたのですが、折衷案として「原告が主張する美術的価値のある漫画原稿」という限度で入れるというものが出てきました。しかしながら、このような中途半端なものを入れるよりは、この美術的価値は文言にはなくても、金額に反映されていると考えることは、誰もが判断できるであろうことを考え、あえて省くこととし、上記のような和解条項となりました。

最後の点は、確かに苦渋の選択でした。しかしながら、最後に和解をして終結させる決意をしたポイントとしては、判決で「美術的価値」が仮に認められたとしても、今回の和解金額よりは相当低額になるであろうこと(通常、価格賠償がなされれば、慰謝料支払の命令は出されないこと、裁判所の鑑定が非常に保守的であること等)を考えると、とりあえず、こちら側の提案する金額を小学館が受け入れたことと、1円でも高額な賠償金の支払いを小学館にしてもらい、原画紛失に対する高額賠償支払いの前例を確実に作ることという点にありました。
雷句氏にも、「意義のある裁判だった」とのコメントを頂いていますので、判断は間違いではなかったと思います。

今回、一漫画家が、小学館という巨大企業に対し、果敢にも戦いを挑みました。しかも、出版社を敵に回すわけですから、他の出版社に対しても、悪い印象を与えかねないという、大きなリスクを背負っての戦いでした。誰もこんな戦いができずに、泣き寝入りをしてきた中で、雷句氏が声を上げました。それに共感をして、たくさんの雷句氏のファンの方、漫画愛好家の方、プロの漫画家の方が声援を送ってくれました。
権利のための闘争のために、勇気を持って果敢に立ち上がった雷句氏に拍手を送りたいと思います。また、そのような雷句氏のお手伝いができたことは、弁護士冥利に尽きると思っています。

これまで応援して頂いた皆様、ありがとうございました。

投稿者 ono : 11:07 | コメント (3)

2008年09月22日

【ガッシュ訴訟】9/22 第2回口頭弁論!

本日、午後1時30分より、ガッシュ裁判の第2回口頭弁論が行われました。
相変わらずのたくさんの傍聴者の方にご出席頂き、お礼を述べるとともに、関心の高さを感じました。

今日の内容は、手続的には、書証についての証拠調べ(原本のあるものについて、証拠となる書類を見分する手続です)、原告側が提出した「原告第1準備書面」の陳述の2点です。

準備書面には、大きく2つのことが書かれています。
一つは、既に7月30日に紛失原稿のポジフィルムを小学館から返して頂きましたので、これについての請求を取り下げる旨、もう一つは、原告からの和解条項についての提案です。

和解案については、まだ細かいことは書けませんが、概ね以下のような感じになります。

一つは、謝罪と解決金の支払い。
もう一つは、原告と被告とで共同の提言を行うという案を出しました。
内容的には、簡単に書きますと、
① 漫画について、関係者は、その原稿に美術的価値を見いだし、創作者の意向を十分に尊重する姿勢が必要であること。
② 漫画原稿について出版社の管理の仕方についてのルール
③ 原稿紛失時の損害賠償金ルールについての根本的な見直し
以上を3本柱にしました。具体的な内容については、こちら側の案は示しておりますが、今後小学館側との話し合いの中で固まっていくものと思います。
最終的に、和解が成立した暁には、皆様にも公表するともに、新聞等のメディアにも掲載して頂き、この和解が、道標になるようにしていきたいと考えています。

次回からは、和解手続となり、公開の法廷ではなく、密室にて裁判官主導で話し合いがなされることになります。従って、傍聴できません。
途中経過など、公表できる範囲でご報告はしていくつもりです。

次回期日は、10月21日午後1時30分からになります。


投稿者 ono : 18:18 | コメント (6)

2008年07月28日

【ガッシュ訴訟】第1回口頭弁論報告!

本日、午前11時30分より、東京地裁522号法廷にて、ガッシュ裁判の第1回口頭弁論が開かれました。
傍聴にいらして頂いた方、本当にお疲れ様でした。
聞くところに寄りますと、開門前から並んでおられた方がおられたそうで、午前9時5分には、既に31席の傍聴席は満席になったということでした。雷句さんに人気の高さ、この裁判の注目度の高さがよくわかりました。

さて、開廷前、2分間のテレビカメラによる撮影の後、時刻通りに事件番号の読み上げとともに開廷。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00137564.html
(ここでFNNのニュースと法廷の模様が見られます)

雷句さんによる意見陳述が始まりました。
漫画原稿の価値に絞り、自ら描かれたカラー原画を2点、両手に示しながらの名演説でした。
この原画のうちの1枚は、「金色のガッシュ!!33巻」の表紙になったもので、ファンからすればそのカラー原画を生で見られたわけですから、感動の一幕だったことでしょう。
意見陳述の原稿については、おそらく雷句さんが自らのブログにアップされると思いますので、そちらをご参照ください。

さて、その後、訴状の陳述と、小学館による答弁書の陳述。陳述といっても、書面を読み上げるわけではなく、「書いたとおりに陳述します。」と述べるだけ。ここが民事裁判のわかりにくいところなのだと思います。
ところで、小学館の答弁の内容とは・・・・・

小学館は、こちらが指摘した、紛失についての預かった原稿の余りにも杜撰な管理体制をも「認める」と答弁するなど、全面的に非を認める答弁をしてきました。また、雷句さんが紛失によって精神的苦痛を感じたことも認めてきました。
潔いというか、そう答弁するしかないというか、拍子抜けというか、何とも複雑な心境ですが、答弁そのものには誠意が見られたと思います。
なお、紛失された原画のポジフィルムは、近日中に小学館から直接返還を受ける手はずになりました。

答弁書の最後に、小学館側のまとめが付されており、以下のように書かれておりました。
「被告は、原稿返却ができないことの責任を争う意思はなく、合理的な賠償をしなければならないと考えている。しかし、漫画原画の財産的価値について一概にいうことができず、精神的苦痛に対する相当額の慰謝の判定も困難であって、甲8の2による被告の提案は必ずしも不合理ではない。裁判所のご意見もお聞きして早期に妥当な解決に至りたいと希望している。」

事実面において、争いがない以上、基本的に今後は「和解」の話になっていくことになります。
ただし、単なる金額のすりあわせの問題に終始してしまっては、ここまでいろんな漫画関係者に注目してもらった手前、また、雷句さん自身が後に続く漫画家のための道しるべになるべく本訴を提起した目的も果たせなくなってしまいますので、本件和解の内容が、後に続くリーディングケースになるような内容の和解内容にしたいと思っていますし、そのために知恵を絞っていきたいと考えています。

それなりの案は、私の頭の中にありますが、皆様方のご意見を頂きながら、よりよいものを練り上げていこうと思います。
今後とも、本裁判を見守って頂けるよう、よろしくお願いします。

次回は、9月22日午後1時30分から、東京地裁606号法廷です(法廷が変わります)。
また、期日が近づきましたら、ご案内します。

投稿者 ono : 17:02 | コメント (10)

2008年07月25日

【ガッシュ訴訟】7/28 第1回口頭弁論

いよいよ、月曜日、ガッシュ訴訟の裁判が始まります。
皆様に注目して頂き、本当に有り難いことです。

午前11時30分より、東京地裁522号法廷で行われます。

傍聴情報ですが、当日は靖国訴訟と重なり、裁判所の職員の手配が間に合わないということで、ガッシュ裁判については、傍聴券は発行されず、先着順ということになりました。

合計42席あるそうですが、そのうち11席が司法記者クラブの記者の方で埋まっており、残りの31席を巡っての先着順ということになります。

522号法廷の前に、この事件の担当書記官が待機していますので、その方の指示に従って、並んで頂くことになります。

何分、31席しかありませんので、当日は相争うことなく、裁判所に迷惑がかからないようにお願いいたします。

当日の裁判の予定としましては、こちら側の訴状陳述、小学館側からの答弁書の陳述、そして、メインは雷句誠本人による、意見陳述という格好になります。
なお、審理が始まる前に、テレビカメラが入ります。おそらく、当日の夕方、或いは夜のニュースで流れるのでしょう。傍聴席は映りませんので、ご安心ください。

裁判の模様、小学館の答弁の内容、今後の展開等につきましては、第1回口頭弁論終了後に報告させて頂きます。

投稿者 ono : 17:19 | コメント (5)

2008年06月12日

【ガッシュ訴訟】陳述書公開についての担当弁護士としての見解

「雷句誠さんのブログに、陳述書が公開されたことについて、担当弁護士としての意見をお聞かせ願いたい」、という問い合わせが多かったので、ここに私の見解を述べておきます。

ひとつは、原稿の紛失に対する賠償だけがなされても、解決にならないということです。つまり、原稿紛失問題がなくならない背景を質さなければならないということです。まさに雷句さんの意図していることであり、本訴の重要な意義のひとつであります。法的には、ここで述べられている事実は、小学館の善管注意義務違反(過失)を基礎づける事情ということになり、本訴の内容と密接に関連します。いわば、小学館の漫画編集者達の体質の問題であると考えられます。その一環として、実際の雷句さんの担当以外の方の話しも出ているものと理解できます。

ひとつは、上記問題を質すためには、事実をつまびらかにしなければなりません。いつまでも部分社会の中で真実が閉じこめられてしまっては、だれもこの問題を監視する人が出てきません。一般人からの批判のないところに、改善など望むことはできません。
そして、裁判を起こしたと言うことは、公開することの一つの理由付けになると考えます。
なお、事実が真実かどうかについては、本当のところは誰にもわかりません。ただ、私たちとしては、裁判において証明が十分に可能と判断しています。

ひとつは、これは大企業対一個人の戦いであるということです。「公平」「平等」というのは、「形式的な」ものだけを要求したのではかえって「不公平」「不平等」となってしまうのであって、むしろ「実質的」な武器対等が確保されなければなりません。実名をあげて陳述書を書き、公開した点についても、相手が社会的な責任を持つ一大企業の看板を背負っての言動ですから、紛争が生じた場合のそれくらいのリスクは十分に覚悟しているはずであり(また、それくらいの覚悟を持って仕事をして頂かなくては困ります)、むしろ名前を挙げられた当人達が、「公開」された件について、「どうのこうの」と恥ずかしい言動をとるとは全く思っておりません。真偽についての評価はどうあれ、このような問題提起に対して、一企業人として真摯な対応を取られるものと思っております。
また、「公開の仕方」の点についてですが、裁判そのものが公開である以上、被告となった小学館が裁判所に出された書面等も公開の対象になるわけですので、裁判所で反論した事項をインターネット上で公開するのか否かは当然自由なはずであって、その意味では特に不公平感はないと思います。
そもそも、圧倒的な力の差が歴然とした事実としてあるわけです。不公平感を感じるとするならば、先制攻撃を仕掛けたという意味合いなのだと思いますが、得てしてそれが喧嘩の常道でしょうし、強い相手に戦う場合には、なおさらそれはセオリーだと思います。もっとも、本件については、裁判に至る過程において、雷句さんがさんざんな目に遭ってきたわけですから、先制攻撃を仕掛けたことについても、ご理解頂けるのではないかと考えています。

以上が、私の見解です。

投稿者 ono : 11:40 | コメント (37)

2008年06月06日

【ガッシュ訴訟】ガッシュ作者、小学館を提訴!

本日、午後1時、東京地方裁判所に提訴しました。
人気漫画「金色のガッシュ!!」の作者、雷句誠さんの代理人として、330万円の損害賠償請求訴訟を提起しました。

内容的には、少年サンデーに連載中、小学館に預けたカラー原稿(原画)を紛失されたとのことで、その賠償を求めるものです。
以下で記者会見の模様が動画で見られます。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20080606/20080606-00000052-jnn-soci.html

近日中に、雷句誠さんのブログにも、記事化されると思います。
雷句誠の今日このごろ。 http://88552772.at.webry.info/

【追記・お知らせ】
第1回の口頭弁論期日が決まりました。
平成20年7月28日午前11時30分です。
場所は、東京地方裁判所第522号法廷です。

訴状に記載した、本訴の意義を転記しておきます。

「 本訴の意義
 (1)「1970年代までは、漫画原稿そのものに価値はな」く、「漫画は印刷されて初めて『完成品』という見方がある。生原稿は印刷するための素材に過ぎず、用が済めば捨てられてしまうことも珍しくなかった」(2003年8月22日讀賣新聞夕刊・マンガ評論家・米沢嘉博氏のコメントより引用)。
    しかしながら、現在は1980年に操業された「まんだらけ」が漫画に財産的価値を見いだし、原画の市場をつくることにより、マンガの原稿を「美術品」とみる傾向が現れた。最近では、漫画を展示したり所蔵したりする美術館も増え、例えば、1994年に、東京都現代美術館は、アメリカン・コミックに似せたポップアートを描くリキテンシュタインと言う画家の作品(ヘアリボンの少女)に6億円を投じたように、漫画の美術品としての扱いは益々一般化している。
    しかしながら、法的な側面でみた場合、未だ漫画の原稿を「著作物」として扱われることはあっても、「美術品」として扱った前例がない。漫画の原稿の紛失については、数々の事例があるが、いずれも「美術品」としての損害賠償請求がなされたことがない。
    その意味で、数ある原稿紛失に対抗する手段として、漫画原稿が「美術品」としての位置づけを勝ち取り、漫画が美術品、つまり芸術品としての社会的地位を獲得するとともに、編集者に対して「美術品」を扱っているという自覚を持たせるべく、今後同じような過ちを犯して欲しくないという思いから提訴するものである。
 (2)また、本訴は、漫画家が、編集者、出版社から、あまりにも対等でない扱いを受け続けていることに対して、一種の警鐘を鳴らすものである。
    漫画家の報酬は、全て後払いである。つまり、自腹を切って、アシスタントを雇い、仕事場を確保し、締め切りに追われて原稿を仕上げ、作品が雑誌に掲載された後に初めて報酬をもらうという、極めて不安定な状態である。例えば、連載の仕事をしたとしても、報酬が全て後払いであるため、出版社、編集者からすれば、無理難題を押しつけても、それに従わないとアシスタントたちに払う給料を確保できない漫画家の足元を見て、いじめが横行するのである。この構図は、漫画家が売れたとしても余り変わるものではなく、一般的に両者の間には圧倒的な力の差が存在しているのである。
    本件原稿の紛失に際し、被告が提示した賠償額は、1枚に付き、原稿料の3倍という、原告の漫画家としての仕事を嘲るがごとき金額であった。被告に対して多大な貢献をした原告であってもである。これが、原告ほど売れていない漫画家であったならば、なにをか言わんである。
    漫画界の世界で成功を収めた原告の、後に続く新人の漫画家たちへの最低限の責任として、「雷句誠がこの金額で納得して、君が文句を言うのはおかしいだろう?」と何も言えなくしてしまう状況をつくってしまうことは絶対に避けなければならず、本訴はその意味では、後輩たちへの原告の使命でもあるのである。 」

今後の訴訟の展開等を見ながら、皆様にご報告がてら、ブログに書いていこうと思います。

投稿者 ono : 17:18 | コメント (39)