« 2009年02月 | メイン | 2009年04月 »
2009年03月19日
【生活保護】違法な水際作戦!
債務整理の事件を受任すると、中には働けなくなって、借金が整理されても生活費に困り、結局生きていけない・・・という可哀相な依頼者とよく遭遇します。
以前は、「生活保護の申請をしなさい。」とアドバイスをすると、すんなりと生活保護が受けられたものですが、ここ1,2年「申請を受け付けてくれない。」という話を聞くようになりました。
「まだ若いから働けるでしょ。仕事を探してください。」「車や持ち家がある人は、受けられませんよ。」「ご家族がいるなら、まずそちらに面倒をみてもらってください。」などと言われ、結局申請書を書く段にも至らず、追い返されてしまうケースが後を絶たないようです。
こういうのを所謂「水際作戦」というのだそうです。
私の依頼者の一人も、私のアドバイスに従って生活保護の申請に行ったのですが、長年別居して殆ど交流のない家族がいることを説明しても「生活保護を受けたいのであれば、家族全員で役所に出頭してください。」と無理難題をふっかけてきたとのことで、2度も追い返されたとの報告を受けました。
役所(福祉事務所)が、市民の「申請」を拒否する、あるいは、誤った説明をして申請を断念させる行為は、市民の「申請」権限を妨害する、明らかに違法な対応なのです(生活保護法7条参照)。
ということで、依頼者に付き添って、代理人として、新たに書き下ろした生活保護申請書を携えて、某市役所まで同行してきました。
依頼者は、「家族は別居中で、殆ど交流もないし、助けてもくれない。」と既に説明していたにもかかわらず、私が同行すると、担当の役人が「では、実質的には家族はいないということですね。」とあまりにも分かり切った確認(?)を依頼者にとって、とんとん拍子に申請手続きを進め、無事に完了しました。
確かに、困窮者を装って生活保護費をだまし取るというような悪い輩がいるようではありますが、だからといって、行政が法を犯してまで水際作戦をとることは如何なものかと思います。
生活保護の申請を受け付けてもらえずに困っておられる方、是非ご相談くださるか、お近くの弁護士会、法テラス事務所までご相談してみてください。
2009年03月16日
【マジック裁判(民事・控訴審)】和解期日並びに第2回弁論報告!
2月26日に和解期日が、そして、本日第2回口頭弁論が開かれました。
2月26日の和解期日は、裁判所からの職権による和解勧告に基づくものであり、私たちも当然のように和解で解決することを望んでおりました。
そして、今後テレビ局とは協同関係という良い関係が作れるべく、そして、マジシャン側が常に「また、種明かしをされるんではないだろうか。」という恐怖から逃れられるような和解案を作成し、和解期日に望みました。
まずは、マジックのことを理解していただくためには、マジックを見ていただいて、その種の重要性を認識していただくのが一番だと思い、相手方も含めて、藤山さんによるマジックの実演を申し入れましたが、相手方は断固としてみようともしない。
結局、裁判官相手にマジックを演じていただき、それなりにこちら側の主張内容を理解していただいたように思いましたが、何分、相手方が「全く和解の意思はない。」との強硬な態度の下、全く話し合いにはならず、和解は決裂に終わりました。
ただ、この問題については、昔から発生し続け、全く改善の歴史が見られないところでもあります。私の意見としましては、公の機関(私は、(社)日本奇術協会が音頭をとるべきだと思っていますが)が、マジックの種の扱いについてのガイドラインを急遽作成し、マジシャン側の種の扱いについての考え方をしっかりと関係各所に送付して示していくような努力をしない限り、いつまで経ってもこの問題は改善されないものと考えます。是非、ご検討していただきたいところです。
そして、本日、第2回目の口頭弁論です。
今回の準備書面では、①「報道の自由」という金科玉条のごときお題目があれば、マジックを演じるという表現者の権利は全く無視されても良いのか、しかも、相手は大手テレビ局という社会的な権力であって、国家にも比肩すべき存在であり、安易な利益衡量によってテレビ局の肩を持つような判決をするべきではないという点、つまり、憲法の人権規定を斟酌してくださいという点、そして、②社会的弱者であるマジックを演じる表現者の権利を制約する以上は、それ相応な正当な理由をしっかりと示すべきであるという点を主張しました。そして、以下の2点について求釈明を行いました。
(1)本件のような物珍しいといういわば珍事件と言うだけで、過去にここまで、つまり4日間にわたって報道の対象にしたことがあるのか。
(2)4日間にもわたってまで種明かしを含めて報道をしなければならなかった理由は何か。
しかしながら、相手方からの回答は、無きに等しいものであり、残念なこと、この上なしといった感じでありました。テレビ局の奢りさえ感じるものでした。
少なくとも、結果はどうなるにしろ、国民に対して社会的責任を負ったテレビ局は、もっと誠実に回答するべき義務があるのではないでしょうか。
ということで、残念ながら、本日で弁論終結です。
判決は、4月22日午後1時15分から、東京高等裁判所824号法廷で行われます。
なお、1審の判決が、判例時報2027号32頁に搭載されました。ご興味のある方は、ご覧になってみてください。
追伸 日本テレビの久保伸太郎社長が「真相報道バンキシャ!」裏金誤報問題で引責辞任したとのことです。視聴率至上主義になっている報道のあり方が、根本的に問われなければならないと思います。