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2006年11月28日
日本テレビからの回答および今後の対応について
先日、日本テレビからの回答がきました。予想はしていましたが、愕然とするような、全くマジックに対する無理解な回答で、情けなくなるような回答内容でした。
中心部分を抜粋すると
「今回の取材・放送は、大阪市内のマジックバーのオーナーらが貨幣損傷等取締法違反容疑で逮捕された事件にあわせて、日本円の硬貨を加工したマジック商品が広く販売されている実態を報道したものです。この点について他意はなく、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。」
とのことでした。
藤山新太郎氏曰く、「これは弱いものいじめである。」
まさにその通りである。マスコミという社会的権力によって、一個人の職業マジシャンおよびマジック愛好家のマジックを演じる自由が、種明かし行為によって、相当な制約を受けたのである。
また、中高生や大学生が、お小遣いやお年玉、アルバイトで一生懸命貯めたお金で、念願のギミックコインを購入し、「これでみんなを驚かしてやろう。楽しませてやろう。」とワクワクしているところに、好むと好まざるとを問わず、何らの視聴者の積極的なアクセスなくして、種明かし報道がされ、コインの使い道が殆どなくなってしまった・・・という悲劇があちらこちらで起きているのである。
たとえが適切かどうかわからないが、ミステリー小説を買った側から、「その結末はこうで、犯人は誰なんだよ。」とささやかれたらどう思うだろうか。誰もその小説を買おうとも思わないし、せっかく買っても読もうとも思わないだろう。仮に小説自体の文章力や構成等に価値を見いだすにしても、一番の面白い部分についての価値は無きに等しい。
ギミックコインについても、正に同じである。
コインマジックについては、もちろんスライハンドによるテクニカルなマジックもあるが、ギミックコインによる現象は絶対に説明の付かない超常現象を起こすことができ、プロマジシャンでも所々スパイスとして、手順の中に取り入れて演じるものである。
上記回答を受領後、SAMジャパンの藤山新太郎氏と田代茂氏とともに会合を持ち、日本テレビに対して提訴する方向で考えをまとめた(詳しい内容についてはお問い合わせください)。
できるだけ多くのプロマジシャンの方々、また、できるだけ多くのマジック愛好家の皆さん、さらには、ギミックコインをお持ちの方々の参加をここで呼びかけます。そして、一緒に裁判の原告団の一員になって戦いましょう。
ザ・マジックの次号に、今回の事件についての経緯が1頁割かれて記載されています。
今後は、アメリカのSAM本部の協力も求めつつ、また、アメリカのマジック界の注目も集めつつ進めていくことになるでしょう。ある意味、前代未聞の裁判になるかと思います。
自分も当事者になって一緒に戦おうという方、是非私宛にメールをください。
onotomo@nifty.ne.jp
折り返し、お返事を差し上げます。
よろしくお願いします。
2006年11月20日
放送局への抗議文を内容証明にて提出!!
日テレの目に余る報道内容に対し、まずは第1弾として、抗議文を内容証明で送りつけました。
アメリカマジシャンズ協会日本支部(SAMジャパン)の代表を務められる、藤山新太郎氏と協力しながら、11月16日夕刻に内容証明を送付し、翌17日には日本テレビ宛てに配達されています。
特に、15日に放映されていた「ザ・ワイド」、「ニュースZERO」において、問題になった空手コインに限らず、全く関係のないシガースルーコイン、ホールディングコイン、シェルコイン、スコッチ&ソーダ等、その仕組みやら現象やらを報道し、種明かしが主目的であるかの如き報道がなされたことに対しての抗議です。
また、翌16日には、テレビ朝日に対して、15日放送の「スクランブル」「Jチャンネル」において、ギミックコインの種明かしをしたことに対して抗議の内容証明を送付しました。
なかでも、日本テレビの報道は、他局と比しても比べものにならないほど悪質であることは、マジック愛好家であれば誰しもがよく理解できるはずのものです。
マジックは、タネが明かされないことを前提に成り立つ芸術であることは、誰しもが認めるところです。また、このような不思議な現象が起きることに対して、ネタに対して多額の金額を支払うわけです。そして、どうすれば不思議な現象が起きるかということは、マジックに携わる人たちの間では、サーストンの3原則の一つにあるように、「絶対にタネを明かすべからず」という掟にもなっており、これが守られているからこそ、現在においてもマジックは一般大衆のエンターテイメントとして維持され続けているわけですし、これを専門に見せる職業マジシャンも存在するわけです。
しかしながら、日本テレビのした報道は、これらに真っ向から反するものでした。散々、前田知洋さんを持ち上げてマジックで視聴率を稼ぎ、一時期のブームが去りはじめると、今度は種明かしをすることで視聴率を稼ぐ・・・。以前も、マリックさんの超魔術ブームで散々視聴率を稼いでおきながら、そのブームが去ろうとすると今度は種明かしで視聴率を稼いだこともあった・・・。また、訳のわからないマスクマジシャンによる種明かしを放映したのも日本テレビである。マジック界をどう思っているのか、また、何度このようなことを繰り返せばよいのか。
このような種明かし的報道により、マジック界の外部的名誉がどれだけ低下したか想像に難くなく、また、一生懸命お金を貯めてギミックコインを買った方達は、心ない日本テレビの報道のお陰で、その利用価値が殆ど無に帰してしまった、、、この責任をどう取ってくれるのだろうか。
もちろん、犯罪に手を染めてまで人を楽しませようとするマジシャン、偽造コインを作らせるために協力を惜しまないマジシャンというようなレッテルをこれらの報道によって貼られてしまい、この報道後営業をしにくくなった職業マジシャンの方もたくさんいる。彼らの休業損害を補償する覚悟で報道を行ったのだろうか。
少なくとも、日本テレビに対しては、先の抗議文(内容証明)が到達後1週間以内に、なぜ犯罪事実だけの報道にとどまらず、上記のような種明かし的報道をしたのかについての説明を求めました。11/17に到達された証明書がございますので、1週間以内に回答がくれば、またご報告をさせていただきます。
2006年11月16日
ギミックコイン事件のテレビ報道について
日本テレビは、余程種明かしが好きなようである。以前もマスクマジシャンを登場させて、タネの暴露番組を放送していた。
昨日の貨幣損傷等取締法違反によるマジシャンの検挙についても、犯罪報道を通り超えて、あたかも種明かしを主体とする報道に打って変わり、奇術界から反発の声が聞こえてきている。
まず、用語等の誤解があるようなので、少し解説をする。
今回の事件は、あくまでも貨幣に穴を開けたりしたという、貨幣自体を傷つけたことが問題とされているのであって、別に偽造コインを作ったわけでも変造コインを作ったわけでもない。
「偽造」というのは、偽物に手を加えて真価の如き外観を作り上げたことを言い、「変造」は真価に手を加えて別の価値のある貨幣に作り替えることを言う。お札にゼロを一つ付け加えるというようなものだが、現行の貨幣ではあまり当てはまる余地はない。
偽造や変造したコインを売ったりするのは違法だが、傷んだコインを持っていることも、手品で使うことも、誰かに売ることも全く違法とは関係がない。
したがって、マジシャンは、今まで通り日本円のギミックコインで演技ができるし、使わなくなったコインを欲しい人に譲ってあげることも問題ない。
さて、本題のテレビ報道である。
余程、手品のタネが視聴率がとれるのか、検挙の報道以来、ひっきりなしにテレビで取り上げられる。
本件で問題になったギミックコインに限らず、ありとあらゆるギミックコインを紹介し始め、それぞれのコインの仕組みを事細かに紹介し、かつ、素人であるキャスターがこれを実際に演じてみせる・・・というお粗末なもの。
犯罪報道であれば、犯罪事実が何だったのかが重要であって、手品の種明かしは全く関係ないはずである。
いわんや、これらを使った手品は、何十年も前から奇術界においては行われており、現在も普通にレパートリーに入っているマジシャンは多い。日本円を使わなくても、アメリカのコインで同様のネタはたくさんあり、これらの種明かし的報道によって、手品の命とも言われるタネが公になってしまった。
世の中にマジシャンという職業人が多数おり、これらのタネの秘密が守られることを前提に、生業を立てている。格別な不思議を演じることができるギミックコインのタネが明かされることの影響は、ただギミックコインを演じられなくなるというだけの話ではない。他の演じる手品にも、「どうせ下らないタネなんだろう。」などという気持ちを見る側に抱かせる。種明かしは、夢を売るマジシャンの存在意義を抹殺しかねないほどの影響をもっているものだと思われる。
その辺をテレビ局は、認識しているのだろうか。余りにも意識レベルの低さに、ただただ呆然とする。
今後、ある奇術団体を通じて、正式に抗議を申し入れることになるだろう。関係者各位に、また、愛好家の皆さんに協力をお願いすることがあると思いますが、その時はご協力をお願いしたい。
2006年11月15日
500円硬貨を加工容疑、マジシャンら4人逮捕
http://www.asahi.com/national/update/1115/TKY200611150235.html
より。
要は、ギミックコイン(貨幣に仕掛けを施すために手を加えたもの)を製造した業者が、貨幣損傷等取締法違反で逮捕されたとのこと。
ちなみに、貨幣損傷等取締法違反とは、以下の条文からなっている。
1 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
2 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。
3 第1項又は前項の規定に違反した者は、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
ここでいう貨幣とは、狭義の貨幣を指しますので、紙幣は含まず、硬貨のみということになります。
マジック愛好家を自負する弁護士として、本件事件を見聞きした感想としては、
「いたって、無粋かつ、ナンセンスである」
というだけです。
この法律自体の妥当性がどの程度あるのか(紙幣は損傷しても良くて、硬貨は駄目というのも、バランスを欠きます)よくわかりませんが、その点は置いておくとして。
本件の場合、硬貨を悪の目的に使うのであれば格別、みんなを喜ばすための改良です。ただ単に形あるものを駄目にしたという訳ではありません。私物であれば、物の効用を喪失させれば、それは器物損壊といって、立派な犯罪になります。しかしならが、手を加えて(加工して)新たな物に作り出した場合には、そこに新たな価値が付加されます。器物損壊の射程ではなくなります。
本件の場合、まさにマジックで人を喜ばせる道具となるように加工されただけなのです。何も単に通過としての利用価値を喪失させたのではなく、マジックの道具として需要のある人に対して、そのような道具に加工して供給しただけなのです。
マジック界では、古くからギミックコインによるマジックがアートとして確立しているのです。二川さんのコインマジック事典、ボボさんのモダン・コインマジック(洋書)等を見ても、クラシックなマジックの一範疇として必ず紹介されています。そのようなアートを表現する道具になっただけなのです。
この法律は、属地主義といって、基本的に国内においてなされた行為について処罰されるものであって、海外で同じ行為がなされても、処罰の対象になりません。したがって、容易にくぐれるような法律なのです。
このような法律を持ち出して、ギミックコインの製造を国内においてのみ取り締まろうというのは、あたかも國の恣意によるアートの締め出しではないかと思いますし、憲法違反だとも思います。
マジックを演じる行為は表現の自由そのものですが、その道具を作り出す行為は、マジックを演じる上で不可欠の行為であり、憲法的には表現の自由の精神に照らして十分に尊重されるべき行為であると考えます。
従いまして、このような表現の自由の精神に照らして十分に尊重されるべき行為を、法律の恣意的運用によって規制をするのは、憲法に違反する重大な行為であると思うのです。
私の考えでは、確かに同法律の構成要件にはあたるものの、違法性はなく、無罪だと考えます。仮に、手品道具を作る場合も含めて全てこの法律の対象になるのだとすれば、この法律自体が憲法に反し、法令違憲になるべきものだと考えます。
結果勝てるかどうかわかりませんが、ぜひともマジック界発展のために、法廷闘争に持ち込んで無罪を争っていただきたいものです。
2006年11月09日
旧司法試験合格発表!!
旧司法試験(法科大学院に行かずに、これまでと同様、独学で勉強を重ね、一発勝負に掛ける司法試験)の最終合格発表が、先程された。
私は、辰己法律研究所で、専任講師をしている関係で、早速合格者名簿がファックスで送られてきた。
長年、短答小教室という、司法試験の足きり試験が突破できない連中が、最後のよりどころとして集うスパルタゼミを担当しているが、早速ゼミ生がいるかどうかを確認・・・
いたっ!!!!
いたっ!!!!
いたっ!!!!
ざっと見たところ、3人も最終合格を果たしていた。
今年は、法科大学院卒業生による、新司法試験により、1000人程度の合格者が既に出てしまったために、旧司法試験の合格者は、500人にまで絞られた。合格率は、実に1.53%の狭き門。
「この競争率の中で、よくぞ勝ち抜いたっ!!心の底から褒めてやりたい!!」
まさに、そんな心境だ。
私のゼミからは、例年3人ずつの合格者が出ているものの、今年は先に述べたように、さらに狭き門になったため、どうしたものか・・・と思っていたが、また今年も旧司法試験だけで3人の合格者を排出できたことは、実に嬉しい。新司法試験合格者も含めると、4名の合格者が今年、私のゼミ出身者から生まれたことになる。
本日合格された諸君、
心の底から、おめでとう!!!